無添加ドッグフードとは?
添加物の種類と見分け方

「無添加」と書いてあれば安心?実はそうとも限りません。
避けるべき添加物・許容できる添加物の違いと、原材料表示の読み方を解説します。

無添加ドッグフードとは

無添加ドッグフードとは、合成保存料・着色料・香料などの人工添加物を使用していないドッグフードのことです。

ただし、ここで注意が必要なのは、「無添加」の定義は法律で決まっていないという点です。「着色料無添加」と書いてあっても保存料は入っている、というケースもあります。

💡 「無添加」表記の落とし穴

「無添加」と書いてあるフードでも、以下のパターンがあります:

完全無添加:合成添加物を一切使用していない
一部無添加:「着色料無添加」など特定の添加物のみ不使用
天然添加物は使用:合成は不使用だが天然由来のものは使用

パッケージの表記だけでなく、原材料表示を確認することが大切です。

そもそもなぜ添加物が入っているの?

ドッグフードに添加物が使われる理由は主に3つあります。

目的 添加物の例 理由
酸化防止 BHA、ミックストコフェロール 油脂の酸化を防ぎ、品質を保つ
見た目の向上 赤色○号、カラメル色素 飼い主に「美味しそう」と思わせる
嗜好性の向上 動物性油脂、香料 犬の食いつきを良くする
栄養強化 ビタミン類、ミネラル類 総合栄養食の基準を満たす

このうち「見た目の向上」のための着色料は、犬には全く意味がありません。犬は色で食べ物を判断しないからです。つまり、着色料は「飼い主向けのマーケティング」であり、犬の健康には不要な添加物といえます。

避けるべき添加物リスト

以下の添加物は、発がん性や健康リスクが指摘されているため、できるだけ避けることをおすすめします

添加物名 用途 リスク
BHA(ブチルヒドロキシアニソール) 酸化防止剤 要注意 発がん性の可能性が指摘されている
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン) 酸化防止剤 要注意 発がん性の可能性、一部の国で規制あり
エトキシキン 酸化防止剤 要注意 元は農薬として開発。人間の食品には使用禁止
赤色○号、黄色○号 着色料 注意 タール系色素。アレルギー誘発の可能性
青色○号 着色料 注意 一部の国で使用禁止
プロピレングリコール 保湿剤 注意 大量摂取で赤血球に影響の報告
亜硝酸ナトリウム 発色剤 注意 発がん性物質の生成に関与する可能性
原材料表示で確認を

これらの添加物は原材料表示に記載されています。購入前に必ず確認しましょう。

特に「酸化防止剤(BHA、BHT)」という表記があるフードは要注意です。ペットフード安全法により、添加物は原則として表示が義務付けられています。

許容できる添加物

一方で、以下の添加物は安全性が高い、または栄養バランスのために必要なものです。これらが入っていても心配する必要はありません。

添加物名 用途 安全性
ミックストコフェロール 酸化防止剤 安全 ビタミンE由来の天然酸化防止剤
ローズマリー抽出物 酸化防止剤 安全 天然ハーブ由来
クエン酸 酸化防止剤・酸味料 安全 柑橘類由来の天然成分
ビタミン類(A、D、E、B群など) 栄養強化 必要 総合栄養食の基準を満たすために必要
ミネラル類(亜鉛、鉄、銅など) 栄養強化 必要 犬の健康維持に不可欠
タウリン 栄養強化 安全 心臓や目の健康に重要なアミノ酸
💡 「完全無添加」は逆に危険?

酸化防止剤を一切使わないフードは、開封後の劣化が早いです。酸化した油脂は犬の健康に悪影響を与えます。

天然由来の酸化防止剤(ミックストコフェロール等)を使用しているフードの方が、品質を維持しやすく安心です。重要なのは「無添加かどうか」ではなく、「どんな添加物を使っているか」です。

原材料表示の見分け方

チェックポイント

原材料表示の確認リスト

  • 酸化防止剤の種類
    BHA・BHT・エトキシキンがないか確認。「ミックストコフェロール」「ローズマリー抽出物」ならOK。
  • 着色料の有無
    「赤色○号」「黄色○号」などのタール系着色料がないか確認。犬には不要。
  • 「○○類」「○○等」の曖昧表記
    「肉類」「穀類等」など具体性がない表記は、品質が不明確な原材料の可能性。
  • 原材料の順番
    原材料は含有量の多い順に記載。最初に「肉」や「魚」が来ているか確認。
実際の表示例

良い例:
「チキン生肉、サツマイモ、エンドウ豆、チキンオイル、サーモンオイル...酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物)」

注意が必要な例:
「穀類(小麦粉、トウモロコシ等)、肉類(チキンミール、ポークミール等)...着色料(赤色102号、黄色5号)、酸化防止剤(BHA、BHT)」

無添加ドッグフード一覧

当サイトで成分分析している「人工添加物不使用」のドッグフードです。

※ この記事は一般的な情報提供を目的としています。愛犬のフード選びは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
※ 添加物に関する情報は、ペットフード安全法および各種研究に基づいています(2025年12月時点)。