無添加ドッグフードとは?
添加物の種類と見分け方
「無添加」と書いてあれば安心?実はそうとも限りません。
避けるべき添加物・許容できる添加物の違いと、原材料表示の読み方を解説します。
無添加ドッグフードとは
無添加ドッグフードとは、合成保存料・着色料・香料などの人工添加物を使用していないドッグフードのことです。
ただし、ここで注意が必要なのは、「無添加」の定義は法律で決まっていないという点です。「着色料無添加」と書いてあっても保存料は入っている、というケースもあります。
「無添加」と書いてあるフードでも、以下のパターンがあります:
・完全無添加:合成添加物を一切使用していない
・一部無添加:「着色料無添加」など特定の添加物のみ不使用
・天然添加物は使用:合成は不使用だが天然由来のものは使用
パッケージの表記だけでなく、原材料表示を確認することが大切です。
そもそもなぜ添加物が入っているの?
ドッグフードに添加物が使われる理由は主に3つあります。
| 目的 | 添加物の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 酸化防止 | BHA、ミックストコフェロール | 油脂の酸化を防ぎ、品質を保つ |
| 見た目の向上 | 赤色○号、カラメル色素 | 飼い主に「美味しそう」と思わせる |
| 嗜好性の向上 | 動物性油脂、香料 | 犬の食いつきを良くする |
| 栄養強化 | ビタミン類、ミネラル類 | 総合栄養食の基準を満たす |
このうち「見た目の向上」のための着色料は、犬には全く意味がありません。犬は色で食べ物を判断しないからです。つまり、着色料は「飼い主向けのマーケティング」であり、犬の健康には不要な添加物といえます。
避けるべき添加物リスト
以下の添加物は、発がん性や健康リスクが指摘されているため、できるだけ避けることをおすすめします。
| 添加物名 | 用途 | リスク |
|---|---|---|
| BHA(ブチルヒドロキシアニソール) | 酸化防止剤 | 要注意 発がん性の可能性が指摘されている |
| BHT(ジブチルヒドロキシトルエン) | 酸化防止剤 | 要注意 発がん性の可能性、一部の国で規制あり |
| エトキシキン | 酸化防止剤 | 要注意 元は農薬として開発。人間の食品には使用禁止 |
| 赤色○号、黄色○号 | 着色料 | 注意 タール系色素。アレルギー誘発の可能性 |
| 青色○号 | 着色料 | 注意 一部の国で使用禁止 |
| プロピレングリコール | 保湿剤 | 注意 大量摂取で赤血球に影響の報告 |
| 亜硝酸ナトリウム | 発色剤 | 注意 発がん性物質の生成に関与する可能性 |
これらの添加物は原材料表示に記載されています。購入前に必ず確認しましょう。
特に「酸化防止剤(BHA、BHT)」という表記があるフードは要注意です。ペットフード安全法により、添加物は原則として表示が義務付けられています。
許容できる添加物
一方で、以下の添加物は安全性が高い、または栄養バランスのために必要なものです。これらが入っていても心配する必要はありません。
| 添加物名 | 用途 | 安全性 |
|---|---|---|
| ミックストコフェロール | 酸化防止剤 | 安全 ビタミンE由来の天然酸化防止剤 |
| ローズマリー抽出物 | 酸化防止剤 | 安全 天然ハーブ由来 |
| クエン酸 | 酸化防止剤・酸味料 | 安全 柑橘類由来の天然成分 |
| ビタミン類(A、D、E、B群など) | 栄養強化 | 必要 総合栄養食の基準を満たすために必要 |
| ミネラル類(亜鉛、鉄、銅など) | 栄養強化 | 必要 犬の健康維持に不可欠 |
| タウリン | 栄養強化 | 安全 心臓や目の健康に重要なアミノ酸 |
酸化防止剤を一切使わないフードは、開封後の劣化が早いです。酸化した油脂は犬の健康に悪影響を与えます。
天然由来の酸化防止剤(ミックストコフェロール等)を使用しているフードの方が、品質を維持しやすく安心です。重要なのは「無添加かどうか」ではなく、「どんな添加物を使っているか」です。
原材料表示の見分け方
チェックポイント
原材料表示の確認リスト
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酸化防止剤の種類
BHA・BHT・エトキシキンがないか確認。「ミックストコフェロール」「ローズマリー抽出物」ならOK。 -
着色料の有無
「赤色○号」「黄色○号」などのタール系着色料がないか確認。犬には不要。 -
「○○類」「○○等」の曖昧表記
「肉類」「穀類等」など具体性がない表記は、品質が不明確な原材料の可能性。 -
原材料の順番
原材料は含有量の多い順に記載。最初に「肉」や「魚」が来ているか確認。
無添加ドッグフード一覧
当サイトで成分分析している「人工添加物不使用」のドッグフードです。
※ この記事は一般的な情報提供を目的としています。愛犬のフード選びは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
※ 添加物に関する情報は、ペットフード安全法および各種研究に基づいています(2025年12月時点)。
良い例:
「チキン生肉、サツマイモ、エンドウ豆、チキンオイル、サーモンオイル...酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物)」
注意が必要な例:
「穀類(小麦粉、トウモロコシ等)、肉類(チキンミール、ポークミール等)...着色料(赤色102号、黄色5号)、酸化防止剤(BHA、BHT)」