グレインフリーとは?
穀物不使用ドッグフードのメリット・デメリット
「グレインフリーって何がいいの?」「うちの子に必要?」
成分データに基づいて、グレインフリーフードの特徴と選び方を解説します。
グレインフリーとは
グレインフリー(Grain-Free)とは、小麦・トウモロコシ・米・大麦・オーツ麦などの穀物を一切使用していないドッグフードのことです。
穀物の代わりに、サツマイモ、豆類(エンドウ豆、レンズ豆)、タピオカ、ジャガイモなどを炭水化物源として使用しています。
「グレインフリー=炭水化物ゼロ」ではありません。
穀物を使っていないだけで、炭水化物は別の食材から摂取します。
また「グレインフリー=高品質」とも限りません。穀物の有無と品質は別の話です。
一般的なフードとの違い
| 項目 | 一般的なフード | グレインフリー |
|---|---|---|
| 炭水化物源 | 小麦、トウモロコシ、米など | サツマイモ、豆類、タピオカなど |
| タンパク質 | 20〜25%が多い | 25〜35%と高めの傾向 |
| 価格帯 | 幅広い | やや高め(2,000円〜/kg) |
| 入手性 | どこでも買える | 専門店・通販が中心 |
メリット・デメリット
メリット
- 穀物アレルギーを回避
小麦・トウモロコシにアレルギーがある犬に安心 - 消化の負担軽減
穀物で軟便になりやすい犬に効果的な場合がある - 高タンパク設計
肉・魚の配合率が高い傾向 - 血糖値の安定
低GI食材を使用している製品が多い
デメリット
- 価格が高い
一般的なフードの1.5〜2倍程度 - 豆類過多のリスク
エンドウ豆を多用した製品は食物繊維過多になる可能性 - DCM問題
FDAが拡張型心筋症との関連を調査中(後述) - 必ずしも必要ない
穀物アレルギーでなければメリットは限定的
2018年、米国FDA(食品医薬品局)がグレインフリーフードと拡張型心筋症(DCM)の関連を調査していると発表しました。特に豆類・ジャガイモを主原料とするフードを長期間与えた犬でDCMの報告が増加したとされています。
ただし、2025年現在も因果関係は確定していません。FDAは「グレインフリーを避けるべき」とは言っておらず、「さらなる調査が必要」としています。
心配な場合は、豆類の配合率が低い製品を選ぶか、獣医師に相談することをおすすめします。
向いている犬・向いていない犬
-
穀物アレルギーが確認されている
獣医師の診断で小麦・トウモロコシ等のアレルギーが判明している場合 -
穀物入りフードで軟便・下痢が続く
消化器系が弱く、穀物で便の状態が悪化する犬 -
皮膚トラブルが改善しない
穀物が原因の可能性を試したい場合(除去食試験として) -
高タンパクな食事が必要
運動量が多い犬、成長期の犬など
✗ 穀物アレルギーがない犬
アレルギーがなければ、穀物を避ける理由は薄いです。むしろ良質な穀物は消化しやすい炭水化物源になります。
✗ シニア犬・腎臓に不安がある犬
高タンパク設計のフードが多いため、腎臓への負担が気になる場合は獣医師に相談を。
✗ 室内で運動量が少ない犬
高タンパク・高カロリーな製品が多く、肥満のリスクがあります。給餌量の調整が必要です。
グレインフリーフードの選び方
チェックポイント
主原料を確認
原材料の最初に「肉」や「魚」が来ているか。豆類が上位に来ている製品は要注意。
タンパク質率
25〜30%程度が目安。31%以上は活動的な犬向け。室内犬には高すぎる場合も。
カロリー
350〜380kcal/100gが標準。室内犬は低め(340kcal以下)を選ぶと体重管理しやすい。
炭水化物源
サツマイモ・タピオカは消化しやすい。エンドウ豆が多すぎる製品は避けた方が安心。
グレインフリーのドッグフード一覧
当サイトで成分分析しているグレインフリードッグフードです。
※ この記事は一般的な情報提供を目的としています。愛犬のフード選びは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
※ 成分値は製品パッケージおよび公式サイトの情報に基づいています(2025年12月時点)。
当サイトでグレインフリーフードを比較すると、タンパク質は19〜31%、脂質は10〜17%、カロリーは342〜374kcalと幅があります。
「グレインフリーだから良い」ではなく、愛犬の体格・運動量・健康状態に合った数値のフードを選ぶことが重要です。